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去る2月3日、マドリードのHotel Crisol Via Castellanaにて、スペイン日本語教師会 (APJE:Asociación de Profesores de Japonés en España / 前会長 板倉法香、新会長 伊藤モラレス杏子) と国際交流基金マドリード日本文化センターの主催による『第15回 スペイン日本語教師会総会・研修会』が開催された。
 
今年の研修会では、東京工芸大学芸術学部アニメーション学科の陶山恵 (すやま けい) 氏を講師に迎え、「日本のアニメはなぜ愛着を生むのか -その子供感と多様性について」をテーマとした講演会が行われ、参加した日本語教師たちにとって有意義な時間となった。APJEでは、2010年の設立時には50人弱であった会員数が、現在では140名を超えるまでに成長。今年のAPJEの総会・研修会にはスペイン各地から50名程の会員の参加があった。この総会は、スペインをはじめとするヨーロッパ各地で孤軍奮闘している日本語教師にとって、教師同志の情報交換や親睦を深める場であり、新たな情報収集の場として、年に一回の貴重な機会となっている。

 

 
総会当日迄2期、四年間に渡り会長を務めた板倉法香前会長の談話:
コロナ禍と同時に任期が始まり、1期目はコロナへの対応に追われた。会議も集会して行うことができず、オンラインでの会議が中心になりその利便性に助けられた部分もあった。2期目はポストコロナの時期となったが、状況はコロナ禍前には戻らず、昨年の総会についても現地参加とオンライン参加のハイブリッド開催とするなどの挑戦もあり、とにかく無我夢中の4年間だった。APJEの活動は、今までは日本人の先生たちの交流がメインだったが、今後はノンネイティブの先生方や、日本語を勉強している学生たちにとっても良い受け皿になれるよう目指して行きたい。特に学生の就職先探しや将来日本語を使って活躍できるような環境の構築にも貢献できれば嬉しい。又成人向け日本語教育だけではなく、子供たちへの教育にも注力して行きたい。
 
総会当日に新会長に就任された伊藤モラレス杏子氏の談話:
総会当日から2年間の任期で新会長に就任した。今まで築かれて来たものを守りながら進歩できる部分は更に伸ばしたい。グラナダ大学で日本語を教えているが、学生たちがとても日本が好きなのに、卒業してから日本関連の仕事に就職するのは簡単でないという現実がある。このような状況が続くと日本語や日本に興味を持つ人が減ってしまうと思うので、日本大使館や国際交流基金のご支援も期待しながら、日本語を学ぶ日本ファンの学生の皆さんが日本関連の仕事に就いて生活していけるような環境を整えていければ嬉しいと思っています。

 
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スペイン日本語教師会 (APJE) とは
 
apje-logoスペイン在住の日本語教師が毎月1回、在スペイン日本大使館に集まり会合を開いていたのが前身となり、2010年2月に設立。
大勢の日本語教師がスペイン各地で日本語の普及に尽力しているが、多くの場合は悩みがあっても各人の孤軍奮闘状態だったものが、APJEが出来たことにより日本語教育に関する情報を共有することが可能となり、ヨーロッパの日本語教師の拠り所となっている。
 
APJEでは継続的に新規会員を募集しており、必ずしも日本語を教えることを職業としていなくとも、日本語教育に興味を持っている人であれば会員になることができる。日本語教師の場合は公的な教育機関に属さない個人レッスンの先生でも会員として受け付けており、これから個人レッスンを始めることを計画している人も歓迎している。また次世代の日本語教育を見据え、日本語教師だけではなく、日本語教育に興味を持っているスペイン人の学生にも参加して欲しいとのこと。APJEには日本語ネイティブの先生の他にも、スペイン人を始めとするノンネイティブの先生も多数在籍しており、共通言語となるスペイン語での情報共有も可能となっている。一定レベルの日本語理解力が必要とはなるが、研修会などはスペイン語でも開催されているため安心して入会して頂ける。入会に関する質問や疑問などがある方は、こちらまで気軽にお問い合わせください。
 
スペイン日本語教師会 (APJE:Asociación de Profesores de Japonés en España)
公式サイト | APJE勉強会Facebook

 
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