上野宏之氏、イサベル・ラ・カトリカ女王勲章クルス章を受章

　
国際交流基金マドリード日本文化センターの前所長上野宏之氏が、イサベル・ラ・カトリカ女王勲章クルス章を受章し、3月20日にバルセロナのカサ・アシアにて授賞式が開催された。
　
イサベル・ラ・カトリカ女王勲章は、スペインの国益に奉仕し、またはスペインと国際社会との間の友好・協力関係を増進することにおいて際立った形で貢献したスペイン人および外国人を報奨する目的をもち、スペイン国王の名において授与される。
　
この度は上野氏が、マドリード日本文化センター開設以降、日本文化の普及に集中的に取り組み、カサ・アシアとの間に極めて緊密な協力関係を築き上げ、日本文化・日本語の普及、日西交流年記念事業においてカサ・アシアと緊密に協力し、カサ・アシア、そしてスペインに利益をもたらしたことが認められ、今回の受章となったもの。
　
　

　
今回の受章を受けて、上野氏は下記のようにコメントした。

このたびはカサ・アシアの推薦により、思いがけずこのような章を頂戴することになり大変光栄に存じます。
　
カサ・アシアと国際交流基金はスペインにおいて日本と日本文化のことを多くの人に知ってもらうために連携協定を結んでいます。2009年に国際交流基金マドリード日本文化センター開設のためにスペインに来たときは、オフィスもなく、アパートホテルの一室で仕事をしていたのですが、見かねたカサ・アシアがオフィスを提供してくれ、8ヶ月間カサ・アシアのマドリードセンターに居候してセンター開設の準備をしました。カサ・アシアの人々と机を並べて一緒に仕事ができたのはとてもよい思い出です。
　
2010年4月の開設後は、カサ・アシアと定期的に会合をもって多くの文化事業を一緒に実施しました。中でも2013年6月～2014年7月の日西交流400周年は忘れがたい思い出です。
「南蛮漆器展」、「アンドロイド演劇」、「杉本文楽」、「エヴァンゲリヲンと日本刀展」、などなど国際交流基金もたくさんの事業を実施しましたが、ここでもカサ・アシアとの連携が重要なポイントでした。カサ・アシアとの連携がなければセンターの開設、日西交流400周年、いずれもああはいかなかったのではないか、と思います。
　
5年半の任期中、カサ・アシアの友人たち、各地で日本語や日本研究に携わる先生方、劇場、美術館、映画館、映画祭、マンガサロンなど文化関係の方々、在スペイン日本国大使館、在バルセロナ日本国総領事館、水曜会、日本人会など、多くのみなさんと一緒に働くことができたのは私にとってかけがえのない財産です。みなさまに篤く御礼を申し上げます。ありがとうございました。