Jun2015_TiempoDeDescanso_ja

 

 
こんにちは。 CD Burela FSFの中島詩織です。
今回でESJAPÓNさんでの記事は最終回となります。

まずは、現在の私の状況を少し説明させていただきます。
今回私はビザの関係上、残念ながら2014-2015スペイン女子フットサルリーグの終了前に日本帰国を余儀なくされました。

ということで、現在は日本に滞在しています。

大切なフットサル仲間との食事

 大切なフットサル仲間との食事

 
5月末のリーグ終了後、6月最初の週末にはコパ・デ・エスパーニャ(国王杯:リーグ最終結果上位4チームが出場)があり、コパ優勝を目指してチームが動いている中で(結果は準優勝でした)、チームの一員として最後まで戦うことができなかったことは大変ショックであったとともに、悔しかったです。どうしても最後までやり遂げたかったです。

外国人の立場でチームに参加している難しさが身に沁みました。
ただ、クラブ関係者が問題解決のためにできることは全てやってくれたのも分かっていましたし、自分ではどうしようもないことなので前向きに捉えようと試みました。
気分が沈んで悲しみに暮れているとき、チームメイト達の優しさにふれ、たくさんの温かさを感じました。特に仲の良い仲間達は、相談に乗ってくれたり、出来るだけ一緒に過ごしてくれようとしてくれました。

最後の練習時にみんながサプライズでお別れ会を開いてくれ、スタッフとチームメイト達からプレゼントをもらいました。シーズン途中でチームを離れることは本当に悔しかったですが、いいチームメイト達に出会えたことを再確認できました。

今シーズンは急に参加チームが決まり、突然帰国になるというサプライズだらけでした!
後々、あんなこともあったなあと記憶に残るシーズンとなることでしょう。

スペインを飛び立つ前のお別れ会

 スペインを飛び立つ前のお別れ会

帰国するときに空港まで見送りにきてくれたチームメイトたち

 帰国するときに空港まで見送りにきてくれたチームメイトたち

 
さて、今シーズンはスペインでのプレーも4シーズン目となり、チームとしては3チーム目となりました。
皆さんももうご存知のCD Burela FSFというガリシア地方のチームでプレーした訳ですが、ここ数年ずっと上位をキープしているチームということもあり、参加前にすごくわくわくしていたのは覚えています。

しかし、やはり最初は不安もありました。
Burelaと契約したときにはすでにプレシーズンが始まっており、途中からの合流となったのも一つの要因です。
今シーズンは私を含め4人新規加入選手がおり、選手の構成は変わったものの、監督は昨シーズンから変わることなく戦術的にも大きな変化はないようでしたので、もうチームとしての戦い方は固まっていました。

新しいチーム、新しい戦術、新しい仲間の中でいかに適応していくかという部分でとても難しかったです。すごく悩んだこともあるし、ピッチ内で迷子(笑)になったこともあります。
以前からいたチームメイト達は奇妙な動きをする私たちに戸惑ったこともあるでしょう。ボード上では理解できていてもいざピッチに立つと、予想できないこともあります。それが面白いんですけどね!

突発的に起こる出来事に対して、瞬時に判断し行動に移さなければなりません。それは、フットサルに限らず様々なスポーツにおいて当てはまることであると思います。素早く判断し、行動するためには多くの経験が必要だと考えます。成功した経験はもちろん、失敗した経験も。今シーズンはたくさん失敗もしました。そして、たくさんのことを学べたと感じています。

そして、シーズンの半分を終えた頃に監督が変わりました。それにはいろいろな要因があると思うのでここには書きませんが、監督の交代はやはり衝撃的でした。監督が変わればまた評価され直すということで、メリットもデメリットにもなり得るからです。戦術的には大きな変化はないものの、監督によってやりたいことが違うのは当然であり、選手はそれを表現していかなければなりません。
しかし、監督が変わり、新しいコーチも増え、練習メニューや指示されることも変わり、私はたくさんのことを学べたと思います。

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Burelaでは毎日練習があり、週に2日は朝と夜の二部練習があります。そして週末は毎週試合です。
スペインの女子1部リーグであっても、このように毎日練習できるチームはほぼないと思います。フィジカルトレーナーやトレーナーもいますし、日本では考えられないような環境でフットサルに打ち込めました。

最初のうちは試合出場時間がそれほどもらえなかったのは事実ですが、時間が経つにつれ出場時間も増え、監督や仲間からの信頼が得られてきているのも感じられたのは自分にとって自信になったとともに嬉しいことでした。
ただ、自分に足りないものもたくさん感じましたし、辛くしんどい時もたくさんありました。上手くいったことより、うまくいかなかったことの方が多かったと思います。それでも、フットサルが好きで、まだまだたくさん学べることがあって楽しみだと思えるということは、私も相当フットサル馬鹿なんだなと思います。

 
以前もESJAPÓNさんのインタビューで答えたのですが、日本とスペインのフットサルの大きな差はやはり環境だと思います。

スペインにはきちんとシーズンがあり、そのシーズンの中でほぼ毎週ホーム&アウェイで試合が行われます。
年間リーグだけで30試合。その他にも地方ごとのカップ戦(先日私たちが優勝したガリシア地方のCopa Xunta)やコパ、スーペルコパ等です。
日本ですとリーグが開幕しても、試合の間隔が長かったりするので気持ちも身体もそこに合わせるのは難しいと思います。

毎週高いレベルの試合が行われるスペインでは、多くの試合経験を積むことが出来ます。長いシーズンを通して、良い時と悪い時があるのはもちろんですし、シーズン中にまだまだ長いなーと感じ、精神的にちょっと疲れたり、日本が恋しくなる時も多々あります。
シーズン終盤は疲労もピークに達しますし、毎週試合があるので怪我をして2~3試合欠場する選手もたくさんいます。アウェイの試合は、遠隔地ですとバスで14時間かかるところもあり本当に大変です。
そういう部分で大変であることは確かですが、毎週試合が出来る環境にいることはやはり素晴らしいと思います。
そして、そこが日本とスペインのフットサルの違いだと思います。

ただ、実際のところ、日本ですぐに全国リーグが出来るかと言えばそんな簡単にはいかないだろうと思います。
でもスペインのような環境がないから日本はスペインに勝つことが出来ない、とは思っていません。スペインの今の環境は日本よりは良いと私は感じますし、試合を通じて選手同士が切磋琢磨し高めあい、スペインリーグで参戦している選手の方が、日本人より試合感や試合経験はあると思います。

しかし、日本もそれぞれのチームで一生懸命練習しているのはもちろんですし、上手い選手もたくさんいます。
日本に帰国した際に練習に参加させていただくことも多々ありますが、上手いなと思う選手はたくさんいます。スペインにも上手い選手はたくさんたくさんいるんですけどね(笑)。

日本の仲間と大会に出場!

日本の仲間と大会に出場!

 
スペインとブラジルのフットサルが違うように、日本もスペインと同じフットサルをする必要はないので、日本に合ったフットサルを確立いていければと思います。良いところは真似するべきだし、出来ないことは自分流にアレンジしていければいいなと。
それは自分が常に選手としてやっていることでもあります!
色々な選手の良い部分を真似してみること、そこから学ぶことはずっと続けていきたいと思います。

Jun2015_Shiori_6海外リーグでプレーするからすごいだとか、上手くなるとかは思いませんが、スペインリーグに挑戦してくる選手が増えたら面白いだろうなと個人的には思っています。

日本にはない環境でたくさんの経験をすることは選手個人としてもプラスになるし、日本のフットサル界にとってもプラスになるのではないかなと思います。どの選手でもひとりひとり、その国に合う合わないはあると思うし、良いことばかりがあるわけではないですが、適応力はつきますし、精神的にも強くなると思います。

私自身スペインに来た当初はほぼスペイン語を理解することも話すこともできませんでしたが、言語はコミュニケーションをとることにおいて重要だと実感しているので、海外に挑戦する方は語学を勉強しておいて損はないと思います。
ただ、生活していると言語をある程度覚えることに必ずなるもので、そういう苦労も楽しめる方は、いきなり飛び込んでもいいと思います!!

来季のことはまだ公に話していいのかは分からないのでチーム名は伏せますが、スペインでやることになりました。5シーズン目になります。

自分の中で最低3年はスペインリーグでプレーしたいと思っていましたが、まさかこんなに長くいるとは思いませんでした。来季は個人としてはもっとたくさんのことを学んで成長したいです。点に絡むことをもっと意識して積極的にプレーしていきたいです。そして、チームとしてはリーグ優勝したいです。

 
始めにも書きましたが、今回でESJAPÓNさんへの投稿は最終回になります。
このような場を頂き、たくさんの方々に読んで頂けたことをとても嬉しく思います。ESJAPÓNさんを始め、読んでくださった皆様に大変感謝しています。

そしていつも応援してくださる皆さん、ありがとうございます。
ここに何回か書かせていただいた記事が、私の身の回りのことや住んでいるスペインのガリシア地方について、スペインや日本の女子フットサルについて、興味を持つきっかけになったようであれば幸いです。

Jun2015_Shiori_7ここでは女子という小さな範囲でしかかけませんでしたが、フットサルというスポーツは誰でも楽しめるスポーツだと思います。自らがプレーすることはもちろん、観て楽しむこともできます。

日本には男子の全国リーグFリーグというものがあります。スペインへ来てフットサル観戦をするのは現実的に難しいかと思いますが、日本国内ではFリーグにて素晴らしい試合の数々が見られると思いますので、興味のある方は是非足を運んでください。
そのほかにも男女共に関東リーグ、関西リーグ、東海リーグ、東北リーグ等様々な地域カテゴリーがあり、面白い試合がたくさんあると思います。

私も日本にいる間には何試合か見に行こうとも思っていますよ!
観ることで学べることはたくさんありますからね!

ここでの記事は最後となりますが、フットサルに関わっている以上これからもどこかで皆さんとお会いすることもあることかと思います。そしてフットサルに関わらずとも、自分自身日本やスペインの文化や環境に触れ、様々なことを経験していければいいなと思っていますし、自身のブログ等を通して引き続きそれを皆さんにもお伝えしていければなと思っております。

 
これからもよろしくお願い致します。
ありがとうございました!

 

中島詩織プロフィール


Dic2014_Harftime_shio1988年7月12日 東京生まれ。
2000年から2011年まで日本のFUNフットサルクラブLadiesの中心選手として、全日本女子フットサル選手権5連覇(2005-2009)をはじめ日本国内のタイトルを総なめにした後、スペインに渡りアトレティコ・デ・マドリード女子にてスペイン女子フットサル一部リーグに参戦を開始(2011-2012)。
同クラブにてマドリードフェデレーションカップ優勝、スペインリーグ優勝、コパ・デ・エスパーニャ準優勝を経験後、FSFリオハを経て、今シーズンからブレラFSFに所属し中心選手として活躍中。
2007年以降日本代表に選抜され、アジア・インドアゲームズに3度の優勝経験あり(2007, 2009, 2013)。
2013年からは同代表キャプテンを務める。

CD BURELA FSF 公式サイト:http://www.burelafs.org


 

 
中島詩織 スペイン滞在記「ハーフタイム」

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