[東京] 展覧会『スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた』
東京・国立西洋美術館にて2023年7月4日より開催される展覧会『スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた』では、スペインに関わる版画制作の史的展開を 17世紀初頭から 20世紀後半までの長大な時間軸で概観し、写し伝えることのできる版画がスペインの文化・美術に関するイメージの形成や流布にどのように貢献したか、約240 点の作品から探るこれまでにない企画となっている。
スペインは、今でこそ世界中の観光客から高い人気を誇る国だが、歴史的には「ピレネーの向こうはアフリカである」と揶揄されたほど、他のヨーロッパ諸国にとって未知の、馴染みの薄い異国であった。しかしナポレオンの侵略とスペイン独立戦争 (1808-14年) を契機にヒトとモノの本格的な往来が始まり、ロマン主義の時代にスペインは他のヨーロッパ諸国からそのエキゾチックな魅力を本格的に「発見」されてゆく。
フラメンコ、闘牛、アルハンブラ、ベラスケス、そしてドン・キホーテ… 我々が思い浮かべるスペインの典型的な「イメージ」の多くは、19世紀にこの国を訪れた外国人旅行者たちによって確立されたものであり、そうしたイメージをかたちづくり、流通させた重要な媒体が、複数刷られ簡単に持ち運びができた版画である。
リベーラからゴヤ、フォルトゥーニ、ピカソ、ミロ、ダリら巨匠たちの仕事を含んだスペイン版画の系譜を辿ることに加え、ドラクロワやマネなど19世紀のイギリス画家のによるスペイン趣味の版画作品を中心に構成し 、スペインの文化や美術に関する「イメージ」がどのように作られ伝えられていったのかを探る。また、本展は国立西洋美術館の収蔵品を中心に国内約40か所から借用されており、国内各地に所蔵されるスペイン版画の傑作が一堂に会する、史上初の機会ともなる。
講演会:イサーク・アイト・モレーノ「記憶への刻印:内戦からフランコ時代のスペイン版画」
2023年7月8日(土) 14:00~15:30
※西日逐次通訳付き
講師:東京大学准教授 イサーク・アイト・モレーノ氏
[事前申し込み制] 先着100名
https://www.nmwa.go.jp/jp/experience-learn/detail/event_36.html
スペイン舞踊&トーク
スペイン舞踊についての話を交えながら、バイレ (踊り)・カンテ (歌)・ギターという基本的な編成で公演を行う。
出演:濱田吾愛 (カンテ)、林順子 (バイレ)、中川浩之 (ギター)
2023年7月22日(土) 17:00~18:30 / 23日(日) 14:00~15:00
[事前申し込み制] 各回先着100名
https://www.nmwa.go.jp/jp/experience-learn/detail/event_39.html
講演会:川瀬佑介「美術におけるドン・キホーテ:スペインのヒーローになるまで」
2023年7月29日(土) 14:00~15:30
講師:国立西洋美術館主任研究員 / 本展企画者 川瀬佑介氏
[事前申し込み制] 先着100名
https://www.nmwa.go.jp/jp/experience-learn/detail/event_37.html
先生のための観覧日
小・中・高等学校の先生方を対象にした観覧日。観覧できる展覧会は、企画展〈スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた〉、常設展、小企画展〈美術館の悪ものたち〉
2023年8月4日(金) 16:00~20:00
[事前申し込み制] 先着50名
対象:小・中・高等学校および特別支援学校にお勤めの先生方
https://www.nmwa.go.jp/jp/experience-learn/detail/event_40.html
スライドトーク
本企画展のみどころや主な作品についてスライドを使用して解説。
2023年8月4日(金)・9月1日(金) 各日18:00~18:30
[当日受付] 各回110名
https://www.nmwa.go.jp/jp/experience-learn/detail/event_38.html
会期:2023年7月4日(火) ~ 9月3日(日)
開館時間:9:30~17:30 (金・土曜日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、7月18日(火) ※ただし、7月17日 (月・祝)、8月14日(月) は開館
会場:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7番7号
観覧料金:一般 1,700円 / 大学生 1,300円 / 高校生以下及び18歳未満無料
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情報元:国立西洋美術館