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去る6月10日、マドリードの在スペイン日本大使 (中前隆博大使) 公邸にて、「Sake Conexión」が開催された。
 
「Sake Conexión」は、日本酒の普及を目指すスペイン・ラテンアメリカ日本酒普及協会 (ASEL: Asociación de Sake de España y Latinoamérica)在スペイン日本国大使館と共同で開催したもので、スペイン国内の日本酒ディストリビューター7社とスペインの酒蔵1社の他、スペイン全土のレストラン関係者、メディア関係者を含めた100名近くが参加。
 
スペイン・ラテンアメリカ日本酒普及協会は、日本酒に関する情報や教育の提供がまだ不十分なスペインおよび中南米地域 (主にスペイン語圏) において、日本の伝統文化である日本酒の普及を目指し、笹山繭子氏が2024年に創設した任意団体である。
 
日本酒に関する専門家として活躍する笹山氏は、スペイン語で日本酒の世界を分かりやすく解説している「El Mundo del Sake (日本酒の世界)」を昨年スペインにて刊行するほか、自身が講師となる日本酒講座「Sake Master」も開設している。

 

 
笹山氏は約10年前からスペインにて日本酒業界に携わってきたが、スペインの人々にとってはまだまだ日本酒の知識を得る機会、また日本酒と触れ合う機会が少ないことが、この国での日本酒の普及に関する大きな課題だと感じていた。
 
一方、これまでスペインで3社程だった日本酒のディストリビューターが少しずつ増え始め、日本酒に興味を持つレストラン関係者も劇的に増えたと感じたため、この機会をとらえ、スペイン全土の日本酒輸入販売業者とレストラン関係者を招待し、交流会・試飲会を行うべく、在スペイン日本国大使館の協力を得て「Sake Conexión」イベントの開催に至った。
 
会場では、笹山氏による日本酒セミナーの後、各ディストリビューターの提供による試飲会が開催され、参加者にとってはいろいろな種類の日本酒を一度に試飲できる貴重な機会となった。

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40年前まで日本国内に3,000以上あったと言われる日本酒の酒蔵だが、国内の日本酒消費量の伸び悩みにより、その後その数は減り続け、今では1,500程度にまで減少している。今年起こった能登半島地震でも11の酒蔵が大きな被害を受けるなど、日本酒を取り巻く日本国内の環境は厳しいこともあり、海外市場での消費の伸びに期待を寄せ新たに輸出を目指すメーカーも増えてきている。今では当地のスペイン料理店のワインリストにも日本酒を見かける機会が増えていることから、今回のイベントがスペインでの日本酒の更なる普及に繋がるべく、期待が寄せられている。

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「Sake Conexión」日本酒ディストリビューター&酒蔵 

 

 主催 

 
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