マドリードにて「チーズ × 日本酒」マリアージュイベント開催
【マドリード発】在スペイン日本大使館とヨーロッパチーズルート協会 (AREQ) の共催による「チーズ × 日本酒のマリアージュイベント」が、2025年3月10日(月)に在スペイン日本大使公邸で開催された。本イベントは、スペインのチーズ業界ではまだ広く知られていない「日本酒とチーズのペアリング」の魅力を紹介し、双方の相性の良さを発見することを目的として開催。
伝統の味が交わる特別な試み
イベントには、AREQの会員自治体をはじめ、チーズ生産者、日本酒ディストリビューター、専門店、レストラン関係者など約50名が参加。プログラムでは、国際唎酒師 (ききざけし) であるエルビア・アルダス氏とAREQ代表ハビエル・サンチェス氏が、日本酒とチーズの相性やワインとの違いについて解説するセミナーを実施。その後、各自治体やスペイン国内の日本酒ディストリビューター5社が提供する日本酒とチーズのペアリングを試飲・試食するテイスティングが行われた。
多彩なチーズと日本酒が集結
今回のイベントには、ポルトガルとスペインの4つの自治体の首長が参加。提供された7種類のチーズには、カディス州の「Quesería La Covacha」や、ポルトガル・フンダォンの「Joaquim Duarte Alves」(2024年世界最高チーズ賞受賞) など、伝統的な製法で作られた逸品がそろった。一方、日本酒ディストリビューターとして参加したのは、「Sake in Motion」「Salvioni – Alomar」「Tokyo-ya」「Nakazawa Brewery」「Fuga Sake Brewery」の5社。スペイン市場で流通する日本酒を通じて、チーズとの新たな楽しみ方が提案された。
ヨーロッパチーズルート協会とは
本イベントを共催したヨーロッパチーズルート協会は、伝統的なチーズのPRと地域観光の促進を目的とする非営利団体で、スペイン各地やポルトガルの自治体が加盟している。参加自治体には、イディアサバル (ギプスコア)、ビジャルエンガ・デル・ロサリオ (カディス)、セラーダ (バリャドリッド) など、名産チーズを生産する地域が名を連ねる。
日本酒とチーズという異なる食文化が交わることで、両者の魅力を新たな視点で発信した今回の試み。参加者からは「想像以上に相性が良かった」「日本酒の新たな楽しみ方を発見できた」といった声が寄せられ、日本酒のスペイン市場における認知度向上に向けた重要な一歩となった。