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マドリードのCineteca Madrid (Matadero Madrid) で開催されている”体”をテーマとした映画サイクル「CUERPOS AQUÍ. POLÍTICA, SEXO Y DISIDENCIA」にて、安部公房の長編小説を勅使河原宏監督が映画化した『砂の女 (スペイン語題:La mujer de la arena)』がスペイン語字幕付き日本語オリジナルバージョンで、国際交流基金の協力のもと4月20日と5月1日に2回上映される。
 
1962年に刊行された「砂の女」は、翌1963年に読売文学賞を受賞。二十数ヶ国語に翻訳され、1968年にはフランスで最優秀外国文学賞を受賞している。
 
勅使河原宏監督により1964年に映画化された「砂の女」は、日本国内のみならず海外でも注目され、”現代文学の最良の収穫” という高い評価をされた。日本国内において数々の賞を受賞したほか、第17回カンヌ国際映画祭では審査員特別賞を受賞、さらにサンフランシスコ映画祭外国映画部門銀賞、ベルギー批評家協会グランプリ、メキシコ映画雑誌協会賞、第37回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、第38回では監督賞にノミネートされるなど、映画監督としての勅使河原の名を世に知らしめた作品となった。

 

 
Youtube:Chardonnay2008 / 【予告篇】砂の女(1964)
 
砂の女
監督:勅使河原宏 / 1964年 / モノクロ / 147分
昭和30年8月のある日、一人の教師 (岡田英次) が砂地に棲む昆虫を求めて砂丘地帯にやって来た。やがて夕暮となり砂丘の集落のある家で一夜を過した。蟻地獄のような穴の底にあり砂に蝕まれた破屋。そこに住む艶かしい三十前後の女 (岸田今日子)。夜更けて女は砂の浸蝕から家を守るため砂かきの労働を始めた。翌朝目覚めた男は素裸で砂にまみれて寝ている女を見、苦々しい思いで家の外に出たが、崖には昨夜使った縄梯子は消え失せていた。驚いた男は自分が砂かきの労働力として雇われたことを知り愕然とした。女の言によれば、この集落は砂という同一の敵によって固く団結していると聞かされるが。男はどうにかして逃げようとする。砂かきの世界に安住する女と、空白感に耐えられない男。しかし遂に穴の外に出ることに成功する日が来た女を騙し、ロープで崖を登る。が監視員に発見され失敗に終った。男はしかし脱出の夢は捨てなかった。穴を掘ってカラスをいけどり希望という名をつけたのもその現われだ。そんなある日、その穴に水がわき出ることを知り狂喜した。渇きに耐えられなかった男は、この突然の発見が脱出への渇望をおしのけた。やがて冬になり、女は子宮外妊娠で穴から出たのを機会に、男は縄梯子を登り、穴の外に立った。しかし男はまた穴の中に帰っていった。溜水装置を点検した男はもはや逃げる理由はなかった。男は水の出現で砂の穴の生活から自由を発見したのだ。それから七年後男の失踪宣告が下った…。(Kineooteより)

 

安部公房小説・勅使河原宏監督『砂の女』上映

 
開催日時:2019年4月20日(土) 18:00h
     2019年5月1日(水) 20:00h
会場:Cineteca Madrid (Sala Plató)
住所:Plaza de Legazpi, 8, 28045 Madrid (Matadero Madrid)
 
観覧料:無料 ※定員に達し次第締め切り
Las entradas se retirarán en taquilla el mismo día, desde una hora antes del inicio de la sesión (máximo 2 por persona).
 
協力:国際交流基金マドリード日本文化センター