スペイン人監督ビクトル・エリセ2作品《The アートシアター》にて上映

　
巨匠ビクトル・エリセ監督の美しき二大傑作『ミツバチのささやき』『エル・スール』
監督自身が監修したHDリマスター版が国内劇場初上映
　
　
“時代を超え、人生までをも変えてしまう映画がある。高い芸術性をはらみ、決して古びず、今なお輝きを増す珠玉の作品たち” を紹介するBunkamura 連続上映企画《The アートシアター》の第一弾にて、スペイン・ビスカヤ県出身の映画監督・脚本家ビクトル・エリセによる作品『ミツバチのささやき』と『エル・スール』が、3月25日東京・渋谷ユーロスペースでの上映を皮切りに、順次全国のミニシアターにて上映される。
　
横浜シネマリン(神奈川)、シネマテークたかさき(群馬)、名古屋シネマテーク(愛知)、松本CINEMAセレクト(長野)、シネ・ヌーヴォ(大阪)、京都みなみ会館(京都)、大分シネマ5(大分)、熊本Denkikan(熊本)、他全国のミニシアターで順次上映が予定されている。
　
　
ビクトル・エリセは1969年のデビュー以来、短編映画以外では長編を3作品しか撮っていない寡作な監督である。1973年長編第一作となる『ミツバチのささやき (El espíritu de la colmena) 』は、同年のサン・セバスティアン国際映画祭にてグランプリに輝き、アデライダ・ガルシア・モラレス原作をもとにビクトル・エリセが監督・脚本した長編第二作『エル・スール (El sur) 』はカンヌ国際映画祭に正式出品され、1996年のスペイン映画生誕100周年記念では映画製作者・映画評論家によって、歴代最高のスペイン映画を決める投票にて第6位に選ばれている。他にもサンパウロ国際映画祭 最優秀作品賞受賞、シカゴ国際映画祭 最優秀作品賞受賞、イベリコ・ブルデオス映画祭 最優秀作品賞受賞している。
　

 
ミツバチのささやき (El espíritu de la colmena)

スペイン内戦の終結直後の1940年、一人の少女が体験する現実と空想の世界。ビクトル・エリセ監督の長編第1作。フランコ独裁政権下で撮られた本作は、少女役のアナ・トレントの天才的な演技と繊細な描写による映画史上に傑出した作品。
スペインのある小さな村に『フランケンシュタイン』の巡回上映がやってくる。6歳の少女アナはスクリーン上の怪物を精霊と思い、姉から怪物は村外れの一軒家に隠れていると聞いたアナは、ある日、その家を訪れる。そこでひとりの謎めいた負傷兵と出会い…。

1973年サン・セバスチャン国際映画祭 金の貝殻賞 (グランプリ)
1973年シカゴ国際映画祭シルヴァー・ヒューゴー特別賞
1974年スペイン映画作家協会賞 最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀男優賞、最優秀撮影賞、最優秀音楽賞
1974年トリノ映画祭最優秀作品賞
配給：アイ・ヴィー・シー / 日本語字幕：吉岡芳子 / 99分 / 1973年 / スペイン
©2005 Video Mercury Films S.A.
　
Youtube：ユーロスペース / theアートシアター vol.1 ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』予告編
　

観た当時、こんな映画を撮りたい、と思ったものです。
子供時代という迷宮。子供にしかない見えざる時計と地図。
そんな世界が見事に描かれていました。
今観てもきっと思うんです。こんな映画が撮りたい、と。
— 岩井俊二 (映画監督)
　

　

 

 
エル・スール (El sur)

内戦、家族、< 南>から< 北>へ。父を自殺で失った少女が、父との想い出を回想しやがて旅立つまでを描いた、ビクトル・エリセ監督の長編第2作。カンヌ国際映画祭に正式出品された。イタリアの名優、オメロ・アントヌッティの名演が光る。
　
1957年秋。ある朝、少女エストレリャは目覚めると、枕の下に父アグスティンの振り子を見つける。エストレリャは父が死んだことを悟る。彼女は回想する。内戦の記憶に囚われたスペイン、< 南>の町から< 北>の地へと引っ越す家族。8歳のエストレリャが過ごした “かもめの家” での暮らしが語られる…。

1983年シカゴ国際映画祭 ゴールド・ヒューゴー賞（グランプリ）
1983年スペイン映画作家協会賞 最優秀監督賞
日本語字幕：吉岡芳子 / 監修：野谷文昭 / 95分 / 1983年 / スペイン
©2005 Video Mercury Films S.A.
　
Youtube：BFI / El sur (The South) trailer

 
情報・画像元：the アートシアター