土屋秋恆の水墨画の世界

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18歳より水墨画をはじめ、2年という異例の早さで南北墨画会師範となり、その後ライブパフォーマンスやハイブランドとのコラボレーションなど従来の水墨画の枠を超えた幅広いジャンルへと活動を展開している土屋秋恆(つちや しゅうこう)氏。
9月25日から10月1日にかけて、マドリードのMuseo ABC(ABC美術館:Amaniel, 29, 28015 Madrid)にて、この現代芸術家のワークショップと講演会が開催された。

講演会では水墨画と日本画の歴史やその技法の説明、水墨画に使用される墨、筆などの道具に関する話に加え、土屋氏自身が絵筆を取って、手元カメラを使用して水墨画の数々の技法を実演し、会場を埋めた参加者も真剣な表情で見入っていた。

仏教とともに中国から日本に入って来た白描画が、平安時代に大和絵(やまとえ)の形で日本的な絵画として発達したのが日本の水墨画の始まりと考えられている。中国(明)に渡り、李在より中国の画法を学んだ室町時代の禅僧である雪舟が、宋・元の古典や明代の浙派の画風を吸収しつつ、各地を旅して写生に努め、中国画の直模から脱した、絵に余白を残してわび・さびの感性を伝える日本独自の水墨画風を確立した。

今回の滞在中には、初心者向けと上級者向けの墨絵ワークショップも開催し、計100名近くの参加者を数えた。
これまで北米、アジア各国、そして欧州ではスペイン、フランス、イタリアを訪問した経験のある土屋氏だが、スペインでは扇子や弦楽器等、外国から入って来た文化や他民族に対する許容性を他国の場合より強く感じたらしい。
基本的に墨の濃淡で描く水墨画を、色彩豊かな油絵等に慣れている欧米人はどう受け取るのかが気になるが、特に上級者向けのワークショップでは、淡い墨の色の中にある細かいグラデュエーションの美しさに対しても、参加者との間で高いレベルでの共感が得られたとのこと。

筆の使い方や線の引き方、墨の濃さをコントロールして絵にいかに濃淡をつけ、遠近感を表すかなど、地元スペイン人の参加者にとっても大変興味深い体験になったに違いない。

30歳で古典技法とポップアートが融合した新しい画風を確立し、04年に結成したアートユニットTENKIではスタイリスト三田真一、ファッションデザイナー スズキタカユキらとともに定期的に和紙ドレスのインスタレーションを行う他、主催する墨閃会では若手作家の育成に力を入れており、ワークショップやパフォーマンス等の活動を精力的に展開している土屋氏。日本と海外の文化の懸け橋として、今後更なる活躍を期待したい。

主催: 国際交流基金マドリード日本文化センターMadrid Museo ABC

土屋秋恆 オフィシャルサイト:http://www.bokusenkai.com
Facebook:https://www.facebook.com/shukou.tsuchiya
Twitter:https://twitter.com/sjet999
水墨画家「土屋秋恆ShukouTsuchiya」が主催する現代水墨画壇「墨閃会 Bokusenkai」official movie channel:https://www.youtube.com/

 


 

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