[マラガ] 画家・現代美術家の井田幸昌 ピカソ生誕地ミュージアムでアジア人初の個展『Yukimasa Ida visits Pablo Picasso』
国内外で活躍する画家・現代美術家の井田幸昌は、ピカソの生誕地であるスペインのマラガにある美術館、パブロ・ルイス・ピカソ生誕地ミュージアム (Museo Casa Natal Picasso) にて、アジア人アーティストとして初めて個展『Yukimasa Ida visits Pablo Picasso』を2022年10月2日まで開催している。
本展は、井田氏がスペインの生んだ20世紀最大の芸術家パブロ・ピカソへ向けたトリビュートと共に挑戦を試みた個展である。
ピカソは生涯で14万点を超える作品を残すと同時に、現代美術に通じる新たな様式を生み出している。 時代ごとに変化するピカソの作風、新しい表現への貪欲さ、そして芸術に対する考えに至るまで、一つ一つを井田氏なりに解釈し、自身の作品へと昇華させている。
本展で発表する合計45点の作品は、絵画だけでなく彫刻作品、ドローイングで構成され、その多くが未発表の新作である。井田氏の代名詞ともなっているPortraitシリーズにも取り組み、幼少期〜晩年までのピカソ自身の肖像画も含まれている。
YouTube:IDA STUDIO / YUKIMASA IDA VISITS PABLO PICASSO
個展開催に向けた井田幸昌氏のコメント
私は、夕日を見て、海を見て、空を羽ばたく鳥を見て、その美しさにはっと息を呑むことがあります。このように、あらゆるものごとに出会い「美しい」という言葉を頭の中で紡ぐ一瞬前。この瞬間に、普遍の美が潜んでいるのではないかと、私は考えます。 そして私は、表現者として、世界や、人々との出会いの中にある美を作品にしようと努力してきました。ゆえに、これまで「一期一会」を一貫したテーマとして持ち、作品を制作してきました。
今回の展覧会に対して、私はこの20世紀最大の芸術家、パブロ・ピカソに向けてトリビュートした作品も多く制作しました。作品制作を通して、彼が何を考え、何を感じ、アウトプットし続けていたのかを、自身の経験や制作に重ねてきました。
「自分には過去も未来もない。ただ現在に生きようがために絵を描くのである。」これはピカソの言葉です。「一期一会」は、彼の残したこの言葉とも通底する概念です。私は変化し続ける「今」を表現者として捉えながら、描き、生きていたいと願っています。
最後に、ピカソが残したこの言葉にも、触れておきたいと思います。
「昔、母は私にこう言った。お前が軍人になれば、将軍となるでしょう。修道士になれば、法王となるでしょう。そして私は画家となり、ピカソとなった。」
幼少期、私の母もピカソの母と同じように言いました。「あなたがなろうと思えば、あなたは何にでもなれる」と。
「私は画家となり、井田幸昌になる。」これを実現するための長い旅が今始まるのです。
くしくも私が最も尊敬する、偉大なる芸術家が生まれた地から。
井田幸昌 / Yukimasa Ida
1990年鳥取県生まれ。2019年東京藝術大学大学院油画修了。16年、現代芸術振興財団(前澤友作設立)が主催する若手作家のアワード「CAF賞」にて審査員特別賞受賞。17年、レオナルド・ディカプリオ財団主催のチャリティオークションに史上最年少参加。18年にはForbes JAPAN主催「30 UNDER 30 JAPAN」に選出。国内外のコレクターからも支持を得ている。個展「Portraits」 (銀座蔦屋書店、2019)、「Here and Now」(マリアン・イブラヒム・ギャラリー、シカゴ、2021) をはじめ、国内外で展示歴多数。直近ではDiorとのコラボレーションを発表した。2022年は4月末にスペインのピカソ生誕地ミュージアム、10月にパリのマリアン・イブラヒム・ギャラリーで個展が決定しているほか、様々なプロジェクトが控えている。
公式サイト | Twitter | Instagram | YouTube
会期:2022年4月26日〜10月2日
会場:パブロ・ルイス・ピカソ生誕地ミュージアム (Museo Casa Natal Picasso)
住所:Plaza de la Merced, 15, 29012 Málaga, España