日西の関係強化進む
12月23日の天皇誕生日に先立ち、12月2日マドリードの在スペイン日本大使公邸において恒例の天皇誕生日祝賀レセプションが開催された。式典にはカルメン・ベラ経済競争力省副大臣(研究開発イノベーション国務長官)をはじめ、日西両国の交流に関わる多くの関係者が参列した。
式典の挨拶の中で越川和彦日本大使は、近年さまざまな分野に渡って日本とスペイン両国間の関係強化が更に進んでいることを強調した。
スペインに於ける日本語学習への興味は年々高まっており、スペインの大学で日本語を勉強する学生は既に5千人を超えている。日本企業のスペイン進出も進んでいるが、同時にZara、Mango、Mallorcaといったスペイン企業も既に日本に進出しており、ヨーグルトアイスクリームのチェーンショップであるLlaollao は日本市場を次のターゲットと位置付けている。
11月30日より、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)がパリで開催されていることに絡め、環境保全の為に進められている研究とサステイナビリティの追求についても説明。日西の企業が協力してマラガとサンタンデールにて進めているスマートシティ・プロジェクトにも触れるとともに、両国の協力による技術開発活動への支援に対し、カルメン・ベラ国務長官に感謝の意を表した。
来年1月から日本は国際連合安全保障理事会非常任理事国となるが、スペインは同じく非常任理事国の役割を2016年末迄担っており、テロリズムの脅威に対抗する為のスペインと日本両国の努力の重要性について語り、また終戦後70年に渡る日本の平和への貢献と、アジア、アフリカ、中南米諸国に於いての開発協力についても言及した。
文化交流の面では、サンティアゴ巡礼路と四国遍路が協力協定を締結したことの他、年々盛況になるバルセロナのサロン・デ・マンガ展示会にも触れ、日本の伝統芸能である歌舞伎が来年スペインで公演される予定であることを伝えるとともに、スペインの国王夫妻の訪日の早期実現を願った。
官民両方の分野にて日西の関係は更に強化されつつあり、今後更に両国の友好関係が促進されることに期待したい。