[日本] 実在のスペイン人画家の激動の人生を描いた『ジュゼップ 戦場の画家』日本公開
描くことが、生きる希望──
強制収容所でペンを握りしめ、どんな現実も描き続けた
画家ジュゼップ・バルトリの魂を揺さぶる感動の実話
1910年スペイン・バルセロナに生まれた画家ジュゼップ・バルトリ。まぎれもなく歴史上に実在したアーティストだが、にわかには信じ難いほど波乱万丈の人生を送った彼を知る日本人はほとんどいないだろう。
スペイン内戦時代に共和国軍の一員としてフランコの反乱軍に抵抗し、1939年には避難先のフランスの強制収容所で想像を絶する過酷な難民生活を経験したジュゼップは、収容所からの脱走を繰り返したのち、1942年にメキシコへの亡命に成功し、フリーダ・カーロの愛人となる。そして1945年にニューヨークへ拠点を移し、マーク・ロスコ、ジャクソン・ポロックらと交流を持ち、画家としての名声を確立。1995年ニューヨークでこの世を去った。
第73回カンヌ国際映画祭に正式出品されたアニメーション映画『ジュゼップ 戦場の画家』は、フランスの全国紙ル・モンドなどの風刺画家オーレルの長編監督デビュー作。
ジュゼップが収容所で記したいくつもの鮮烈な絵画に触発され、今こそ伝えるべき尊いメッセージを見出したオーレルは、この偉大な先人の作品に初めて接したときから10年の歳月を費やしてついに本作を完成させた。
そんなふたりのアーティストの魂が時を超えて共鳴したこの映画は、フランスの第46回セザール賞で長編アニメーション賞、第26回リュミエール賞でアニメーション賞と音楽賞、第33回ヨーロッパ映画賞長編アニメーション賞とヨーロッパの映画賞を総なめし、日本では第8回東京アニメアワードフェスティバルで審査員をつとめた片渕須直監督が絶賛し、長編コンペティション部門グランプリと東京都知事賞のW受賞を獲得、早くから話題を呼んだ。さらに大手映画批評サイトのロッテントマトで100%フレッシュを獲得するなど、世界的な絶賛を博している。
第二次世界大戦前夜、フランスの強制収容所
その知られざる真実と有刺鉄線を越えた友情の物語
1939年2月、スペイン内戦の戦果を逃れた大勢の難民が隣国フランスに押し寄せた。しかしフランス政府によって強制的に収容所に閉じ込められた彼らは、劣悪な環境のもとで寒さ、飢え、病魔に苦しむはめに。難民のひとりである画家のジュゼップ・バルトリは、それが人間らしさを保つ唯一の手段であるかのように、建物の壁や地面に黙々と絵を描き続けていった。若きフランス人憲兵セルジュは、そんなジュゼップに鉛筆と紙を与え、ふたりは固い友情で結ばれていく。やがてジュゼップが消息不明の婚約者マリアとの再会を夢見ていることを知ったセルジュは、彼の切なる願いを叶えるためにマリアの創作を行うのだが…。
原題:JOSEP
監督:オーレル / 脚本:ジャン=ルイ・ミレシ / フランス・スペイン・ベルギー / フランス語・カタロニア語・スペイン語・英語 / 74分
2020年 カンヌ国際映画祭 オフィシャルセレクション出品
2020年 ヨーロッパ映画賞 長編アニメーション賞
2020年 フランス映画批評家協会賞 フランス映画賞
2020年 アテネ国際映画祭 観客賞、脚本賞
2020年 バジャドリード国際映画祭 監督賞
2020年 フランス語圏国際映画祭 審査員賞
2021年 リュミエール賞 アニメーション賞、音楽賞
2021年 セザール賞長編アニメーション賞
2021年 国際シネフィル協会賞 アニメーション賞
2021年 東京アニメアワードフェスティバル 長編コンペティション部門グランプリ、東京都知事賞
2021年 マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル 観客賞、国際報道機関賞
YouTube:映画配給会社ロングライド / 8.13公開『ジュゼップ 戦場の画家』予告編