[マドリード&オンライン] 国際女性デー『現代日本芸術におけるエコフェミニズムの考察』
日本美術を通じた女性の新たなエンパワーメントへ
女性の地位向上、女性差別の払拭などを目的とした国際的な連帯の日として、「国際女性デー」が毎年3月8日に制定されている。女性の社会進出という点では、日本はまだ発展途上にあるが、対照的にスペインは社会のさまざまな分野における女性の地位向上が比較的進んでいる。
国際女性デーを記念して国際交流基金マドリード日本文化センターでは、日本美術を通じた女性の新たなエンパワーメントに関連した、様々な日本人アーティストや専門家、このテーマに関連する日本文化の専門家が参加するイベントを実施する。
2024年3月4日(月)16:30よりTAI (Escuela Universitaria de Artes) にて、女性とアートに焦点を当てたイベントを開催。現代日本女性アーティストによる作品および映画世界に見られるエコフェミニズムについて考察、その変化と再評価について議論する講演会およびラウンドテーブルを開催。
対面/オンラインのハイブリッド形式で実施されるイベントの第1部では、今日の女性性を代表する2人の現代日本人アーティストに焦点を当てる。ひとりは繊細な日本画の技術を駆使しながらトラウマや社会的なメッセージをグロテスクともいえる表現で伝える松井冬子、そしてもうひとりは90年代より自然と人類の調和をテーマとした作品を多く手掛け、調和が失われつつある現代においてテクノロジーを駆使しつつも環境や自然に調和するためのメッセージを伝え続ける森万里子。日本の今を代表するアーティストをとりあげる一方で、日本映画の世界に見えるエコフェミニズムについても考察する。
モデレーター:モンセラット・クレスピン
バルセロナ大学哲学科教授、ADHUC(ジェンダー研究)センター研究員。同大学で哲学博士号を取得し、国際交流基金の日本研究助成プログラムフェローとして国際日本文化研究センター(日文研)で研究を行った。日本の現代哲学に関する数多くの著作があり、Feminismo e identidades de género en Japón (Bellaterra, 2021)、フェルナンド・ヴィルツとの共著Después de la nada (Herder, 2023)の編集者でもある。最新刊は、中島力蔵のLa doctrina kantiana de la cosa en sí (1889)の翻訳と紹介(Comares, 2023)。
Conferencia 1: “Trauma y tradición en las obras de Matsui Fuyuko”
アイタナ・メリノ / マドリード自治大学教授。筑波大学で美術史の修士号を取得。専門は日本美術、書道、現代美術運動、文化交流。
Conferencia 2: “One with nature: Mori Mariko en Okinawa”
アナ・トゥルヒーヨ / マドリード・コンプルテンセ大学で美術史の博士号を取得。現在、マドリードのポンティフィシア・コミーリャス大学人間社会科学部国際関係学科講師。主な研究テーマは、19世紀から20世紀にかけての日本の芸術と文化、および西洋との関係。研究グループ「日本とスペイン」のメンバー。また、アジア研究グループ(GIA)のメンバーでもある。
Conferencia 3: “Back to basics: la revaluación de la naturaleza en el cine ecofeminista japonés”
ニエベス・モレノ / マドリード自治大学で文化研究の博士号を取得。現在は、TAI芸術大学の映画・視聴覚芸術学科で教鞭をとる。研究グループ「日本とスペイン」のメンバー。「芸術を通した交流」 研究グループ、アジア研究グループ(GIA)、マドリード・コンプルテンセ大学日本研究誌『未来』幹事。マドリード自治大学の映画史雑誌『Secuencias』の編集者でもある。
- Mesa redonda y discusión
- Preguntas y respuestas
- Cierre de las conferencias
形式:ハイブリッド (対面/オンライン)
参加無料 ※定員に達し次第、申込み受付終了。参加には以下のリンクからの事前登録必須。
対面参加:https://forms.gle/frUdbqU9XFcvRDiG7
オンライン参加:https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_u34jevZTQtK6pj0j5_zdMQ
会場:TAI (Escuela Universitaria de Artes)
C./Recoletos, 22, 28001 Madrid, Sala de Conferencias
第2部では、カクテルを楽しみながらラ・カサ・エンセンディーダで開催される「Loving the Alien」展のキュレーターであるラウラ・ロペス・パニアグア氏をお迎えし、身体とアイデンティティをテーマにした作品で知られる日本人アーティスト・片山真理氏と、スペイン在住の著名な日本人アーティストであり、彼女のカラフルな壁画は様々な場所で目にすることができ、スペイン社会との重要なつながりを生み出しているハマダ・ミーナ氏を紹介。両氏がこのテーマについて簡単なプレゼンテーションを行う。
会場:Ginkgo Garden / VP Jardín de Recoletos
C/ Gil de Santivañes, 6, 28001 Madrid