Mar2016_IBERIA33anos_Top

 
1983年12月7日、マドリードのバラハス空港滑走路にて、ローマに向かい離陸途中のイベリア航空350便とサンタンデール行きアビアコ航空134便が接触、双方の機体に火災が発生し、134便に搭乗していた42人全員と350便に搭乗していた93人のうち51人が亡くなる痛ましい事故があった。この350便に搭乗し亡くなった方のうち34人は日本人だった。
 
その事故から33年が経過。今年は33回忌にあたり、イベリア航空機事故遺族会の佐藤進会長が日本から来西され、3月30日、越川和彦在スペイン日本大使、マドリード在住の日本人、スペイン人有志とともに、マドリード市内のアルムデナ墓地内にある事故の慰霊碑を参拝し、犠牲者の方々のご冥福を祈った。
 
遺族会代表の佐藤氏はこの事故で御長女と義母を失った。祖母と共にスペイン旅行を楽しみイタリアに向かう筈だった御長女は当時23歳。事故当時47歳だった佐藤氏も今年81歳を迎えられた。
事故後、アルムデナ墓地内に設置された慰霊碑には、佐藤氏作の「イベリア航空遭難者よ 天空に舞う天使となれ」という言葉が記されている。
 
慰霊碑の周りに植樹された三本の桜の木はその後順調に育ち、毎年春になると満開となって墓地を訪れる人達を慰めている。3月に入って肌寒い日が続いたためか、桜の開花は例年より少し遅れており、参拝当日の桜は三分咲きだったが、犠牲者の冥福を祈る参拝客の姿を上空から見守るように花を添えていた。

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