スペイン日本語教師会 APJE年次総会
今年もスペイン日本語教師会APJEの年次総会が2月4日にマドリードにて開催された。総会では2016年度の活動報告や2017年度の活動予定報告が行われた他、講師として米プリンストン大学より佐藤慎司氏を招いてのワークショップも行われた。
スペインで日本語を教える教師の皆さんが、毎月一度在スペイン日本大使館に集まって会合を開いていたのが前身となり、2010年2月に設立されたのがAPJE(Asociación de Profesores de Japonés en España)。
数多くの日本語教師が各地で活動しているが、多くの場合悩みがあっても各人の孤軍奮闘状態だったものが、この会が出来たことで日本語教育に関する情報を共有することが可能となり、スペイン在住の日本語教師の拠り所となっている。
APJEでは日本及び世界の各地から教師を招聘し、毎年2月初旬に年次総会を行っている。現在スペイン全土に約130名の会員を数えるAPJEだが、今回の年次総会にはマドリードをはじめスペインの各地方より約55名が参加した。
同会では年次総会以外にも毎週定期的に勉強会を開催しているほか、毎年10月と4月に研修会・ワークショップを開催するなど、継続的な活動を行っている。また2016年6月には、第2回スペイン日本語劇コンクールも開催。外国語としての日本語を勉強するスペイン全土の学生達がチームを組んで参加し、ビデオ審査によって勝ち抜いた8チームが6月24日にマドリードにて開催された決勝大会で熱演。スペイン中の日本語の学生達による日本語劇を鑑賞できる素晴らしい機会となった。
また、スペイン日本語教師会シンポジウムの第1回をマドリード、第2回をバルセロナ、第3回をサンティアゴ・デ・コンポステーラで開催したのに続き、2017年には6月23日、24日の両日に第4回をサラマンカ大学日西文化センターで開催することが決定している。今回のテーマは、「成長する教師 -実践研究のすすめー」。多くの教師が、教師会のセミナーや研修に積極的に参加し、そこで学んだことを自分の現場で生かし、工夫して実践している。今度のシンポジウムでは、それらを実践研究としてまとめて発表し、さらに成長を目指すことをを目的としている。
スペイン日本語教師会は継続的に新規会員を募集している。必ずしも日本語を教えることを職業としていなくても、日本語教育に興味を持っている人であれば会員になることができる。日本語教師の場合でも、公的な教育機関に属さない個人レッスンの先生でも会員として受け付けており、これから個人レッスンを始めることを計画している人も歓迎している。
また次世代の日本語教育を見据え、日本語教師だけではなく、日本語教育に興味を持っているスペイン人の学生にも参加して欲しいとのこと。
日本人に限らず会員になることができるが、研修会等は日本語で運営されるので、一定レベルの日本語の理解力は求められる。
スペイン日本語教師会APJEへの入会の申し込み・同会へのお問合せはAPJEウェブサイトをご参照ください。
http://apje.es
画像提供:国際交流基金マドリード日本文化センター