【終了】第6回「日本の監督36選」日本映画特集上映
国際交流基金とフィルモテカ・エスパニョーラが、日西交流400周年を記念して企画した「日本の監督36選」日本映画特集上映が3月に最終回を迎える。
フィナーレを飾る6作品は「歩いても 歩いても」、「崖の上のポニョ」、「舞妓 Haaaan!!!」、「舞妓はレディ」、「藁の楯」、「地獄でなぜ悪い」となっており、3月4日から28日にかけてマドリードのFILMOTECA ESPAÑOLAにて上映される。
この企画に選ばれた36作品は、映画評論家他による投票で選ばれた18作品に、一般の観客の意見をもとにその他の日本の映画監督18人の作品を加えたもの。
この最終回をどうぞお見逃しなく!
上映作品とスケジュール
歩いても 歩いても (Still Walking)
上映日時:3月4日(水)20:00h〜、3月21日(土)19:30h〜
監督・原作・脚本・編集:是枝 裕和
2008年
音楽: ゴンチチ
製作:エンジンネットワーク
上映時間:114分
キャスト:阿部寛、夏川結衣、YOU、高橋和也、田中祥平、樹木希林、原田芳雄
ある夏の終わり。15年前に亡くなった兄の命日に、横山良多は妻と息子を連れて実家に帰省する。失業中の良多はひさびさの帰郷も気が重い。開業医だった頑固な父ともそりが合わない。父が期待をかけていた優秀な兄といつも比べられて来たことが、今でもコンプレックスとして残っている。姉の一家も来ており、母を囲んでみんなで料理を準備しながら、子供時代の思い出話に花が咲く。そんな中、ふとしたことから良多は親の老いを実感する…。
「歩いても 歩いても」は、「誰も知らない」「幻の光」の是枝裕和監督が、年老いた両親のもとに久々に集った家族の情景を静かなタッチで切り取り、人生の喜びと悲しみを浮かび上がらせたホームドラマである。第51回ブルーリボン賞(監督賞、助演女優賞)など国内の映画賞のみでなく、第56回サン・セバスティアン国際映画祭(脚本家協会賞)、第4回ユーラシア国際映画祭(最優秀監督賞)、第3回アジア・フィルム・アワード(監督賞)など、海外でも数々のアワードを受賞。
崖の上のポニョ (Ponyo en el acantilado)
上映日時:3月7日(土)17:30h〜、3月17日(火)20:00h〜
原作・脚本・監督:宮崎駿
2008年
音楽:久石譲
製作:スタジオジブリ
上映時間:101分
「崖の上のポニョ」はアルデルセンの「人魚姫」を現代の日本に舞台を移し、海沿いの町を舞台に、幼い子供達の愛と冒険を描いた作品である。「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の宮崎駿監督が、長編監督作品としては2004年の「ハウルの動く城」以来4年ぶりに手がけた長編アニメーション映画。
海の中で暮らすさかなの子・ポニョはある日くらげに乗って家出する。港に近づいたポニョは底引き網に巻き込まれ、ジャムの瓶にはまっておぼれていたところを、崖の上の一軒家に住む5歳の少年宗介に救われる。宗介を好きになるポニョ。宗介もポニョを守ってあげると約束する。しかし、海から命を奪い取るだけの人間を忌み嫌って海の住人となった父・フジモトによって、ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう…。
「人間になりたい」と願うさかなの子・ポニョと少年・宗介の物語を描いたこの作品は、日本アカデミー賞・最優秀アニメーション作品賞・最優秀音楽賞・岡田茂賞など数々の映画賞を受賞した他、国外でも全米で公開された日本アニメ映画の中では第5位のヒット作品となっている。
舞妓 Haaaan!!! (Maiko Haaaan!!!)
上映日時:3月10日(火)21:30h〜、3月12日(木)19:30h〜
監督:水田 伸生
脚本:宮藤官九郎
音楽:岩代太郎
上映時間:120分
2007年
キャスト:阿部サダヲ、柴咲コウ、堤真一
「舞妓 Haaan!!!」はサラリーマン鬼塚公彦が京都・祇園の舞妓と野球拳をしたいという夢をかなえるため、人生のすべてをかけるという人情喜劇である。
修学旅行で迷子になった際に舞妓さんに助けられたことがきっかけで、鬼塚は熱狂的な舞妓ファン。実際にお茶屋で遊んだことはないが、舞妓を応援するサイトを運営している。そんな中、鬼塚は念願の京都支社への転勤が決まり、恋人も捨てて京都入りするが、「一見さんお断り」の壁にぶつかってしまう…。
第31回日本アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞、脚本賞優秀賞を受賞。また、2008年にはニューヨークやサンフランシスコなど主要5都市を皮切りに全米でも公開された。
舞妓はレディ (Maiko Lady)
上映日時:3月11日(水)20:00h〜、3月15日(日)17:30h〜
監督:周防 正行
音楽:周防義和
上映時間:135分
2014年
キャスト:上白石萌音、長谷川博己、富司純子、田畑智子、草刈民代、渡辺えり、竹中直人
「舞妓はレディ」は京都の架空の花街・下八軒で舞妓を目指す少女・春子の成長物語を、歌とダンスを交えて語るミュージカル映画。「Shall we ダンス?」から実に18年ぶりに周防正行監督が本格エンターテイメント大作に挑戦した、ハートフルな作品である。
小さいながら歴史ある花街・下八軒の芸舞妓は後継者不足に悩まされ、老舗のお茶屋・万寿楽でも唯一の舞妓である百春は12年も襟替え出来ないでいる。その万寿楽に鹿児島弁と津軽弁を話す春子が舞妓志望でやって来たが、春子のきつい訛りではとても無理と門前払いを食らいそうになる。たまたま居合わせた馴染みの旦那・北野や言語学者・京野の口ぞえで万寿楽の見習いになった春子であるが、その前途は平坦でない….。
2014年7月のパリJapan Expoに招待作品として出品した他、第38回日本アカデミー賞でも最優秀音楽賞、優秀助演女優賞、新人俳優賞を受賞。
藁の楯 (Shield of Straw)
上映日時:3月24日(火)21:40h〜、3月28日(土)19:30h〜
監督:三池 崇史
脚本:林民夫
原作:木内一裕
音楽:遠藤浩二
上映時間:125分
2013年
キャスト:大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也、山崎努、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、本田博太郎、余貴美子
「ビー・バップ・ハイスクール」の漫画家・木内一裕の小説家としてのデビュー作を、三池崇史監督が映画化したサスペンス・アクション。「この男を殺して下さい。名前・清丸国秀。お礼として10億円お支払いします」という広告が主要な新聞に掲載される。清丸に孫娘を殺された政財界の大物・蜷川が、憎い敵の首に懸賞金をかけたのだ。身の危険を感じた清丸は福岡県警に自首し、銘苅・白岩など5人の精鋭が移送の護衛につくが、懸賞金に目がくらんだ一般市民のみでなく警察官、機動隊員までもが清丸をつけ狙う…。
日本テレビ放送網開局60周年記念作品。また、第66回カンヌ国際映画際コンペティション部門に正式出品された。
地獄でなぜ悪い (Why Don´t You Play in Hell?)
上映日時:3月25日(水)20:00h〜、3月27日(金)17:30h〜
脚本・監督:園 子温
音楽:園子温・井内啓二
上映時間;130分
2013年
キャスト:國村隼、長谷川博巳、星野源、二階堂ふみ、友近、堤真一
「冷たい熱帯魚」の園子温が長年温めて来た企画を実写化した異色作。第35回ヨコハマ映画際で2013年日本映画ベストテン第7位、助演女優賞、最優秀新人賞を受賞した他、第37回日本アカデミー賞(新人俳優賞)、第56回ブルーリボン賞(助演女優賞)でも受賞。海外でも第38回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門観客賞等を受賞した。
極道・武藤組の組長・武藤大三と池上組の組長・池上純はとある事情で激しく対立している。そんな中、武藤大三は服役中の妻・しずえの夢でもあった、娘のミツコの映画デビューを実現させるべく、自らプロデューサーとなって映画製作に乗り出す決意をする。映画青年・平田純と、通りすがりの橋本公次を監督に、その他スタッフは子分のヤクザで構成するが、ミツコに恋心を抱く池上純と池上組を巻き込んで、思いも寄らぬ事件が勃発して行く…。
上映場所:FILMOTECA ESPAÑOLA (旧 Cine Doré)
住所:C/ Santa Isabel 3, Madrid
最寄駅:メトロ1号線 Antón Martín
Filmoteca Española の上映スケジュールはこちらをご覧下さい。