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日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭『東京国際映画祭』の第30回目が10月25日から11月3日までの10日間開催される。
 
才能溢れる新人監督から熟練の監督までを対象に、世界中から厳選されたハイクオリティなプレミア作品が集結。国際的な審査委員によってグランプリが選出されるコンペティションには昨年、98の国と地域から1,502本もの応募があり年々注目度が高まっている。
 
今回の東京国際映画祭 “ワールド・フォーカス部門” では、アントニオ・メンデス・エスパルサ監督作『ライフ・アンド・ナッシング・モア (Life and Nothing More / La Vida y Nada Más)』とギジェルモ・デ・オリベイラ監督作『サッドヒルを掘り返せ (Sad Hill Unearthed)』の2本のスペイン製作映画が上映されることとなる。

 
ワールド・フォーカス部門 (World Focus)
世界各国・地域の映画祭受賞作や話題作、あるいは有名監督の日本で紹介されていない新作に注力し、日本公開が未決定の貴重な作品を取り上げる。欧米やアジアで注目を集める作品が揃う。『東京国際映画祭』開催後に半数以上の作品の日本公開が決定。「ワールド・フォーカス」が世界の話題作のショーケースとしての役割を果たしていくこととなる。

 

ライフ・アンド・ナッシング・モア (Life and Nothing More / La Vida y Nada Más)

2017年10月27日(金) 18:10h TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン3《オンラインチケット
2017年10月29日(日) 10:30h TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7《オンラインチケット
 
Youtube:TIFF Trailers / LIFE AND NOTHING MORE Trailer | TIFF 2017

フロリダで母親と幼い妹と暮らす高校生のアンドリューは、大人の入り口に立っている。自分の人生を優先する母と服役中の父を持つ孤独なアフリカ系アメリカ人少年に、どんな選択肢があるのだろうか?
 
家庭には問題があり、家の外では依然として黒人差別がはびこる環境の下で、少年が何とか成長していこうとする姿を丁寧に描くエモーショナルなドラマである。エスパルサ監督は前作『ヒア・アンド・ゼア』(2012/カンヌ映画祭批評家週間グランプリ受賞作/同年TIFFでも上映)で見せたリアリズム演出に磨きをかけ、観客をたやすく映画の中に惹き込んでいく。地域の住民や司法関係者に入念に取材を重ね、出演者の選定に1年をかけ、実人生に限りなく近いフィクションを作る準備が進められた。脚本はあったものの、実際には出演者と作品を作りながら物語を発見していったという。その結果、長廻しのワンシーンワンカットを多用しつつ、物語の進行はスムーズという本作独自のテンポが生まれている。映画は様々な社会問題を内包し、どん詰まりになってしまったアンドリューの行動に焦点を絞っていく。描かれる状況は厳しいものの、フロリダの太陽も手伝って映画に暗さはなく、監督のヒューマニズムに胸を打たれずにはいられない。サンセバスチャン国際映画祭コンペティション作品。
 
監督:アントニオ・メンデス・エスパルサ
マドリッド生まれ。大学で法学を学び、映画人としてのキャリアはアメリカで培う。UCLAで映画を学び、コロンビア大学で映画制作の修士号を取得。近作の短編は数々の映画賞を受賞した。初長編監督作『ヒア・アンド・ゼア』は2012年カンヌ映画祭批評家週間に出品され、作品賞を受賞した。

 

 

サッドヒルを掘り返せ (Sad Hill Unearthed)

2017年10月31日(火) 21:25h TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン2《オンラインチケット
2017年11月2日(木) 12:20h TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7《オンラインチケット
 
Youtube:東京国際映画祭 Tokyo International Film Festival / 『サッドヒルを掘り返せ』予告編 | Sad Hill Unearthed – Trailer

『続・夕陽のガンマン』(66) が撮影されたスペインのサッドヒルに、当時映画用に作られた墓地がそのまま残っていた!有志のファンが集って現場を再現する一方、エンニオ・モリコーネを始めとする製作関係者が撮影当時を振り返る。やがて映画の50周年記念のイベント企画が立ち上がる…。
 
ロケ現場を復元しようとする映画ファンの熱い想いに、『続・夕陽のガンマン』の製作に関わったスタッフの証言が交わり、やがて映画の夢と奇跡が描かれていく感動必至のドキュメンタリーである。草や土に覆われた「墓地」を有志のファンが掘り返し始めると、そのニュースは瞬く間に欧州中に広まり、週末毎にサッドヒルを訪れるファンが増えていく。『続・夕陽のガンマン』の根強い人気に驚かされるとともに、製作スタッフの証言を通じて故セルジオ・レオーネ監督の偉大さが再評価されることも映画ファンには嬉しい。しかし、本作は単なる過去の人気映画の舞台裏を探る内容ではなく、映画を通じて人は過去と現在をいかに結ぶことができるかを描く作品であり、そこにあるのは現在進行形の感動である。究極の「聖地巡礼」映画であり、そして『続・夕陽のガンマン』のファンだけでなく、映画を愛するものすべての夢が凝縮された作品である。
 
監督:ギレルモ・デ・オリベイラ
1986年12月6日、スペイン・ガリシア州ヴィーゴに生まれる。プロデューサーおよび監督として “Max Payne: Valhalla”(12)“Seth’s Gold”(15)などの短編を手掛けてきた。本作が初長編作品(ドキュメンタリー)である。

 

東京国際映画祭2017
 
開催期間:2017年10月25日〜11月3日
会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ (スペイン映画の上映はこちら) / 東京国立近代美術館フィルムセンター / 歌舞伎座 / 東京国際フォーラム
 
公式サイト / Twitter / Facebook / Instagram / Youtube

 
Youtube:東京国際映画祭 Tokyo International Film Festival / 第30回東京国際映画祭 予告編 30th TIFF trailer