日本とスペインがワーキング・ホリデー協定に署名
2017年4月5日、東京にて岸田文雄外務大臣と、フェリペ6世スペイン国王王妃両陛下の国賓訪日に際し訪日中のアルフォンソ・ダスティス・スペイン外務・協力大臣との間で『ワーキング・ホリデー制度に関する日本国政府とスペイン王国政府との間の協定』の署名が行われた。これによりスペインは、日本人がワーキング・ホリデーで行ける18番目の国となる。
ワーキング・ホリデー制度とは、協定を結んだ相手国・地域の青少年に対し、他方の文化や一般的な生活様式を理解する機会を提供し、双方の相互理解を深めることを趣旨とし、休暇を目的として入国を希望する相手国・地域の青少年に対し、旅行・滞在資金を補うための付属的就労を認める制度である。
この協定により、ワーキング・ホリデー制度の参加者として有効な査証を所持する相手国の国民に対し、入国の日から一年間の滞在を許可し、かつ、旅行資金を補うために必要な限りにおいて、相手国の法令に従って就労することを認めるための法的な枠組みが構築される。
この協定は、それぞれの国内手続の完了を書面により通報し、双方の通報が受領された日のうちいずれか遅い方の日の後30日目の日に効力を生じる。
当サイトの取材によれば、実際にこの制度への応募が可能になるのは今年の夏以降になる見込みのようで、それ以前に関係機関より応募に関する詳細が発表される予定とのこと。
以下、『ワーキング・ホリデー制度に関する日本国政府とスペイン王国政府との間の協定』全文
日本国政府及びスペイン王国政府 (以下「両締約国政府」といい、個別に「締約国政府」という。)は、両国の間の一層緊密な協力関係を促進するとの精神の下に、両国の間の相互理解を促進することを目的としてそれぞれの国民、特に青少年に対し、他方の国の文化及び一般的な生活様式を正当に理解するための一層広範な機会を提供することを希望して、次のとおり協定した。
第一条
いずれの締約国政府も、他方の国(以下「派遣国」という。)に居住する当該派遣国の国民に対し、当該派遣国の国民が次に掲げる要件を全て満たし、かつ、当該締約国政府が適当と認めるときは、ワーキング・ ホリデー査証を無償で発給する。
(a) 主として休暇を過ごすために他方の国(以下「受入国」という。)に入国する意図を有すること。
(b) ワーキング・ホリデー査証申請時の年齢が十八歳以上三十歳以下であること。
(c) 被扶養者を同伴しないこと(被扶養者が当該締約国政府から発給されたワーキング・ホリデー査証そ の他の査証を所持する場合を除く。)。
(d) 有効な旅券及び帰国のための切符又はそのような切符を購入するための十分な資金を所持すること。
(e) 受入国における滞在の当初の期間に生計を維持するための相当な資金を所持すること。
(f) 滞在終了時に受入国を出国する意図を有し、かつ、滞在する間に在留資格を変更しないこと。
(g) 以前にワーキング・ホリデー査証の発給を当該締約国政府から受けていないこと。
(h) 健康であることが医療診断書により確認されること。
(i) 犯罪経歴を有しないことを申告すること。
(j) 受入国に滞在する間に、受入国において効力を有する法令を遵守する意図を有すること。
第二条
いずれの締約国政府も、派遣国の国民に対し、派遣国にある受入国の大使館又は領事館において、ワーキング・ホリデー査証を申請することを許可する。申請者は、必要な場合には、資格を決定するために受入国 の大使館又は領事館の代表者による面接を受ける。
第三条
いずれの締約国政府も、有効なワーキング・ホリデー査証を所持する派遣国の国民に対し、入国の日から一年までの期間滞在を許可し、かつ、旅行資金を補うために必要な限りにおいて、受入国において効力を有 する法令に従って就労することを認める。
第四条
1 いずれの締約国政府も、派遣国の国民に発給するワーキング・ホリデー査証の数を毎年決定し、他方の締約国政府に対し、この数を外交上の経路を通じて通報する。
2 いずれの締約国政府も、他方の締約国政府に対し、第一条(e)に規定する資金の最低額を通報する。
第五条
ワーキング・ホリデー査証により受入国に入国する派遣国の国民は、受入国に滞在する間、受入国において効力を有する法令に従う。
第六条
この協定の規定は、それぞれの国において効力を有する法令に従って実施される。
第七条
1 いずれの締約国政府も、他方の締約国政府に対し、この協定の効力発生のために必要な国内手続の完了を書面により通報する。この協定は、双方の通報が受領された日のうちいずれか遅い方の日の後三十日目の日に効力を生ずる。
2 この協定の解釈に関するいかなる紛争も、両締約国政府により外交上の経路を通じて解決される。
3 この協定の改正については、いつでも両締約国政府間で交渉することができる。いかなる改正も、書面により行われる。
4 いずれの締約国政府も、前記の規定の全部又は一部の実施を公の政策上の理由により一時的に停止することができる。このような停止は、外交上の経路を通じて他方の締約国政府に直ちに通告される。
5 いずれの締約国政府も、三箇月前までに他方の締約国政府に対して外交上の経路を通じて書面により通告することにより、この協定を終了させることができる。
6 この協定の終了又はこの協定のいかなる規定の実施の停止の後においても、両締約国政府により外交上の経路を通じて別段決定される場合を除くほか、両締約国政府は、その終了又は停止の日において、有効なワーキング・ホリデー査証が発給された、又は第三条に従い受入国における滞在が認められた派遣国の 国民の入国又は滞在の希望について好意的な考慮を払う。
以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
二千十七年四月五日に東京で、ひとしく正文である日本語、スペイン語及び英語により本書二通を作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。
日本国政府のために
スペイン王国政府のために
第一条
いずれの締約国政府も、他方の国(以下「派遣国」という。)に居住する当該派遣国の国民に対し、当該派遣国の国民が次に掲げる要件を全て満たし、かつ、当該締約国政府が適当と認めるときは、ワーキング・ ホリデー査証を無償で発給する。
(a) 主として休暇を過ごすために他方の国(以下「受入国」という。)に入国する意図を有すること。
(b) ワーキング・ホリデー査証申請時の年齢が十八歳以上三十歳以下であること。
(c) 被扶養者を同伴しないこと(被扶養者が当該締約国政府から発給されたワーキング・ホリデー査証そ の他の査証を所持する場合を除く。)。
(d) 有効な旅券及び帰国のための切符又はそのような切符を購入するための十分な資金を所持すること。
(e) 受入国における滞在の当初の期間に生計を維持するための相当な資金を所持すること。
(f) 滞在終了時に受入国を出国する意図を有し、かつ、滞在する間に在留資格を変更しないこと。
(g) 以前にワーキング・ホリデー査証の発給を当該締約国政府から受けていないこと。
(h) 健康であることが医療診断書により確認されること。
(i) 犯罪経歴を有しないことを申告すること。
(j) 受入国に滞在する間に、受入国において効力を有する法令を遵守する意図を有すること。
第二条
いずれの締約国政府も、派遣国の国民に対し、派遣国にある受入国の大使館又は領事館において、ワーキング・ホリデー査証を申請することを許可する。申請者は、必要な場合には、資格を決定するために受入国 の大使館又は領事館の代表者による面接を受ける。
第三条
いずれの締約国政府も、有効なワーキング・ホリデー査証を所持する派遣国の国民に対し、入国の日から一年までの期間滞在を許可し、かつ、旅行資金を補うために必要な限りにおいて、受入国において効力を有 する法令に従って就労することを認める。
第四条
1 いずれの締約国政府も、派遣国の国民に発給するワーキング・ホリデー査証の数を毎年決定し、他方の締約国政府に対し、この数を外交上の経路を通じて通報する。
2 いずれの締約国政府も、他方の締約国政府に対し、第一条(e)に規定する資金の最低額を通報する。
第五条
ワーキング・ホリデー査証により受入国に入国する派遣国の国民は、受入国に滞在する間、受入国において効力を有する法令に従う。
第六条
この協定の規定は、それぞれの国において効力を有する法令に従って実施される。
第七条
1 いずれの締約国政府も、他方の締約国政府に対し、この協定の効力発生のために必要な国内手続の完了を書面により通報する。この協定は、双方の通報が受領された日のうちいずれか遅い方の日の後三十日目の日に効力を生ずる。
2 この協定の解釈に関するいかなる紛争も、両締約国政府により外交上の経路を通じて解決される。
3 この協定の改正については、いつでも両締約国政府間で交渉することができる。いかなる改正も、書面により行われる。
4 いずれの締約国政府も、前記の規定の全部又は一部の実施を公の政策上の理由により一時的に停止することができる。このような停止は、外交上の経路を通じて他方の締約国政府に直ちに通告される。
5 いずれの締約国政府も、三箇月前までに他方の締約国政府に対して外交上の経路を通じて書面により通告することにより、この協定を終了させることができる。
6 この協定の終了又はこの協定のいかなる規定の実施の停止の後においても、両締約国政府により外交上の経路を通じて別段決定される場合を除くほか、両締約国政府は、その終了又は停止の日において、有効なワーキング・ホリデー査証が発給された、又は第三条に従い受入国における滞在が認められた派遣国の 国民の入国又は滞在の希望について好意的な考慮を払う。
以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
二千十七年四月五日に東京で、ひとしく正文である日本語、スペイン語及び英語により本書二通を作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。
日本国政府のために
スペイン王国政府のために
情報元:外務省