abr2022_dali_historia_01

 
20世紀を代表するスペイン人芸術家サルバドール・ダリ (Salvador Dalí / 1904-1989) の作品約340点を収蔵し、ダリ・コレクションにおいて国内最大級の諸橋近代美術館にて、展覧会『ヒストリア ~神話と物語の世界~』が、2022年4月27日から7月3日まで開催されている。
 
この展示会では、神話や物語から着想を得て生まれた作品にフォーカスし、神秘と幻想の世界をオリジナリティ溢れる表現で描いた芸術家サルバドール・ダリの作品を中心に、ダリとともに、ピカソやボナールなど、諸橋近代美術館がコレクションする様々な神話や物語をテーマにした作品が紹介される。作品の原典にある神話や物語の、本来の意味や登場人物が解説され、新たな作品の見方を楽しむことができる。

 

サルバドール・ダリ 《孔雀》 1969年 諸橋近代美術館蔵

サルバドール・ダリ 《孔雀》 / 1969年 諸橋近代美術館蔵

 
第1章 神秘の世界
西洋絵画史において、ギリシャ・ローマ神話やキリスト教は代表的な主題として扱われ、その神秘的な世界観は今でも観るものを魅了してやまない。ダリ、ボナール、ピカソの作品から、神話や宗教などの古典主題の原典と、それらが近現代に至ってどのように受け継がれ、また画家たちによってどのように表現されたのかが紹介される。
 
第2章 物語の世界
イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリ (1265-1321) は、13世紀から14世紀にかけて長編叙事詩『神曲』を手がけた。主人公はダンテ自身で、師と仰ぐ詩人ウェルギリウスとともに地獄・煉獄・天国を見学していくストーリー。ダリは1950年代はじめに、イタリア政府から「ダンテ記念祭」の出版用の『神曲』挿絵を依頼される。しかしこの計画は頓挫され、その後フランスの出版社と協働し、作品が発表されることとなった。ここでは『神曲』に登場するキャラクターたちを中心に、作中と原典でのキャラクター像を比較していく。その他、ダリが描いたドン・キホーテやカルメンも紹介される。
 
第3章 ダリのミューズ ~画家が愛した女性たち~
「ミューズ」とは、ギリシャ神話に登場する文芸の女神たち「ムーサ」の英語・仏語名である。彼女たちを祀る神殿「ムセイオン」は、のちに学問や文芸を研究する学堂として使われるようになり、「博物館・美術館(ミュージアム)」の語源でもある。西洋美術におけるあらゆる芸術家たちの作品には、その私生活の中で着想源となった女性たち「ミューズ」の存在が多々見られる。ここでは画家サルバドール・ダリが愛した女性たちである母親フェリパ、妹アナ・マリア、そして彼を語るには欠かせない妻ガラ(エレナ・イヴァノヴナ・ディアコノア)を作品とともに紹介される。
  

 

展覧会「ヒストリア~神話と物語の世界~」

会期:2022年4月27日(水)~7月3日(日) ※会期中無休
会場 :諸橋近代美術館
住所:福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ヶ峯1093-23
観覧料:一般 1,300円 / 高校・大学生 500円 / 中学生以下 無料 <常設展示も含む>

※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳のご提示で所有者と付添い者1名は無料

 
諸橋近代美術館
Webサイト | Twitter | Facebook | YouTube
福島県北部の裏磐梯・五色沼近くに位置する諸橋近代美術館は、ゼビオ株式会社創立者、諸橋廷蔵 (1934-2003) 氏が約10年に渡り収集した美術作品を「広く多くの方に鑑賞して感動していただいたい」という思いから、故郷である福島県会津磐梯高原に開館。
諸橋氏は、ダリをはじめ西洋近代美術の調査、研究に取り組み、自らの手で作品の蒐集も始める。それら蒐集作品群は、ダリの絵画・彫刻・版画作品など約330点、印象派からシュルレアリスム期までの絵画作品約40点と、ダリのコレクションにおいては、アメリカ・フロリダ州のダリ美術館、スペイン・フィゲラスのダリ劇場美術館に次ぐ規模であり、アジアで唯一のダリ常設美術館となっている。ダリ作品の蒐集活動は、諸橋氏の遺志を受け継ぎながら、現在も継続されている。美術館の作品構成はダリがメインとなっているが、ダリ以外にもルノワール、マチス、ピカソ、シャガール等19・20世紀巨匠20数人の作品を収蔵。(諸橋近代美術館公式サイトより一部抜粋)

 

 
情報元:諸橋近代美術館 | @Press