第54回国際パエリアコンクールにて、日本のスペインレストラン3チームが健闘
9月14日(日)バレンシア県のスエカにて第54回国際パエリアコンクールが開催され、日本のスペインレストラン3チームが参加、惜しくも入賞はならなかったものの、地元バレンシア及びスペイン各地、そしてスペイン以外の世界各国から集まった強者パエリアシェフ達全34チームと競ってパエリアを料理し、大健闘した。
このスエカでの世界コンクールを前に7月5日に日本パエリア協会主催により、日本のスペイン料理店16チームが参加して、日本での予選として「豊洲パエリア」イベントが行われた。
この日本大会で優勝したバル・エスパーニャ (北海道札幌市)、2位のエル・ラガール (埼玉県川越市)、3位のソレアド (神奈川県相模原市)の上位3チームが、はるばる日本から今回の世界大会に参加。
「世界最高のパエリア」を決めるこの大会では、バレンシア風パエリアの伝統的なレシピに沿って各チームが15皿分のパエリアを料理する。
シェフ達が使用出来るのは1,500グラムのスエカ産の米、1リットルのオリーブオイル、4ダースのカタツムリ、1,500グラムのライ豆、500gのタベーラ白豆、1キロのインゲン豆、1キロの完熟トマト、ニンニク1個、1グラムのホール・サフラン、2包のサフランパウダー、115グラムのパプリカ、2羽の地鶏、2羽の兎、塩とスエカの水、これだけである。
使用するのは直径70センチのパエリア鍋一つで、薪の火だけを使ってパエリアを作る。
スエカ市内の公園の一角に設置された料理コーナーは一般の見学客も大勢訪れてお祭り気分。地元ビールメーカーのスタンドでは無料のビールも振る舞われ、食べ物を提供する出店も並びすっかりフィエスタの雰囲気。
その中で各チームのメンバーは皆真剣な表情でパエリアを焚き上げるのに余念がなかった。チームによって進行状況は様々で、開始早々鶏と兎を強火で炒めだして薪の火を切らしてしまい困っているチームがあるかと思えば、パエリア完成目標時間に合わせてマイペースで準備を進め、持ち時間も半ばを過ぎてから初めて火を使って料理を開始するチームもあり、大変興味深い。
午後2時には各チームのパエリアが出揃い、シェフ達自身の手によって審査会場に運び込まれ、主催者による公式昼食会が開催された。メインディッシュは審査の終わった各チームのパエリアで、昼食会の参加者は世界レベルのパエリアを味わうことが出来た。
授賞式前の昼食会の席で、日本から参加されたレストランの皆さんにコメントを頂いた:
ソレアドチーム、三上さん
今回初めての出場でしたが、新鮮ですごく楽しくて大変良い経験になりました。パエリアの仕上がりでは、ちょっとコメが固かったかなと言うのが反省点ですね。
バル・エスパーニャチーム、小原さん
チーム全員でベストを尽くしましたし、大変いい感じで料理が出来たと思います。とは言えスペイン人の料理人達にパエリアで勝つと言うのは大変な事だと思いますし、いつの日か世界一を取れる迄頑張りたいと思います。
エル・ラガールチームさん
今回9年振りにこの大会に来ました。今は独立して自分たちのレストランをやっていますが、家内が以前働いていたレストランから参加して2002年か2003年の世界大会で総合2位を頂きました。私自身は2005年に出場したのが最後で久し振りにスペインに来ましたが、来ると中々楽しいですね。いつも作っている通りのパエリアが出来たと思います。
昼食会の後、受賞者の発表が行われた。残念ながら日本からの3チームは入賞を逃したが、彼らの活躍により、スペインから遠く離れた日本でもバレンシア風の伝統的なパエリアの味を再現出来ることが証明されたに違いない。
第54回国際パエリアコンクールの入賞者は以下の通り:
優勝 Restaurante Miguel y Juani (L’Alcúdia、スペイン)
2位 Restaurante Casa Pepe Sanchis (Córdoba、スペイン)
3位 Hotel Hospes Palau de la Mar (Valencia、スペイン)
入賞:
Sah Modern Mediterranean (Adelaida del Nord、オーストラリア)
La Loca Bar Tapas (Bonn、ドイツ)
Restaurante Saint Georges (Narbonne、フランス)
Restaurante Óscar (Calp、スペイン)
Restaurante Casa la Pepa (Valencia、スペイン)
尚、今回の受賞者に贈られた金銀銅のメダルは、日本人環境芸術家の梅田和之氏の手によるものである。
梅田和之氏Facebook
全5ページのフォトギャラリーをこちらからご覧頂けます。