【終了】[東京] 展示会『RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー』
カタルーニャの土地に根差しながら日本文化を取り入れた独自の世界観を生み出す
東京都港区にあるTOTOギャラリー・間にて、スペイン・カタルーニャ地方オロットを拠点に、歴史や文化、自然に寄りそった活動を続ける建築事務所RCRアーキテクツの展覧会『RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー』が3月24日まで開催中。
ラファエル・アランダ、カルマ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタによって1988年に設立されたRCRアーキテクツは、常に3人で対話を重ね、カタルーニャの土地に根差しながら詩情豊かな建築を生み出してきた。こうした彼らの活動が評価され、2017年にはプリツカー建築賞初の3人による同時受賞という快挙を成し遂げている。
今展示会『RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー』ではRCRアーキテクツのこれまでの歩みに加え、「夢」をテーマにカタルーニャ地方ガロッチャで進めている「ラ・ヴィラ」プロジェクトを紹介。
広大な敷地に研究施設や工房、宿泊施設、パビリオンなどを配した「ラ・ヴィラ」において、人びとが集い、ともに学び、自然を空間として体感してもらうことで、知覚することそのものを学ぶ研究の場をRCRアーキテクツは実現しようとしている。そのなかのひとつである「紙のパビリオン」は、RCRアーキテクツが長年にわたり影響を受けてきた日本文化との架け橋となるプロジェクトで、奈良県吉野町の人びとと協力し吉野の木材を用いながら、RCRアーキテクツ独自の世界観を表現している。「紙のパビリオン」の構造体の一部分や、吉野をめぐる旅を追ったドキュメンタリー映像、RCRアーキテクツの手によるドローイングなど多彩な展示を通じ、彼らが長い時間をかけて実現しようとしている「夢のジオグラフィー」の一端をぜひ体感してほしい。
「私たちにとって人生とは夢であり、建築とは夢を見るための道具である。私たちは夢と建築を通して、真に重要な現実を創造することができる。そのような夢を通して、私たちは人生をたどっていくのだ。」
この展覧会は「夢のジオグラフィー」というタイトルのもと、私たちRCRアーキテクツの歩みと「夢」というコンセプトを示すものである。データや図面、コンセプト・スキームなど基本的な説明に始まり、旧友で写真家の鈴木久雄氏の視点を通じて制作された代表作品の映像へと続き、RCRが建築をどのように理解しつくっているのかを紹介する。その後、「夢のジオグラフィー」として今後何年もかけてたどり着こうとしている私たちの夢、宇宙観を体現したプロジェクト「ラ・ヴィラ」の中へと入っていく。
「ラ・ヴィラ」は、森林と水の流れ、そして記憶の住まう土地(ジオグラフィー)であり、その場所は私たちを、開かれた研究の場の創作とその探求へとつき動かした。それは人間の知覚に対する意識を変容させ、新しい関係性や行動を促すことのできるような、横断的で総合的、そして可能な限り最も本質的で根本的な方法でつくられた研究の場となるだろう。
さらに「ラ・ヴィラ」をともに進めている奈良県吉野町の人びとや吉野の森をはじめ、2017年に来日した際にめぐった各地の旅の体験をまとめたドキュメンタリー映像、テキスト、そして描画スケッチを通じ、RCRと日本との長年にわたる交流を紹介したい。
― RCRアーキテクツ
Youtube:TOTObunka / 展覧会ガイド「RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー」
公式サイト
ラファエル・アランダ、カルマ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタの3人により、1988年スペインのカタルーニャ地方オロットに設立された建築スタジオ。
プリツカー建築賞 (2017年)をはじめ、カタルーニャ州政府による建築文化賞 (2005年)、フランス芸術文化勲章オフィシエ (2014年) など、国内外で多数の受賞歴をもつ。2008年に旧彫刻鋳造工場であった「バルベリ・スペース」へ拠点を移し、2013年にRCR BUNKA財団 (日本語の「文化」に由来) を設立して以来、建築とランドスケープ、アートや文化と社会との関わりの促進に寄与する活動を続けている。
奈良県吉野町をはじめ多くの人びとの協力を得て、進行中のプロジェクト「ラ・ヴィラ」内に、2017年RCR LAB・A建築研究所を設置。
代表作に、「トゥッソル・バジル陸上競技場」(スペイン オロット / 1991-2012)、「ラ・リラ・シアター・パブリック・スペース」(スペイン リポイ / 2011)、「スーラージュ美術館」(フランス ロデーズ / 2014)、「ヴァールゼ・クローク・メディアテーク」(ベルギー ゲント / 2017) などがある。
開催日時:2019年3月24日 (日) まで 11:00〜18:00 / 月・祝日休館
会場:TOTOギャラリー・間
住所:東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
入場無料
主催:TOTOギャラリー・間運営委員会
特別後援:スペイン大使館
情報元:TOTOギャラリー・間