【終了】「初めに…・ In the beginning was…」塩田千春・個展
日本人アーティスト・塩田千春氏による個展「初めに…・In the beginning was…」が、リェイダのソリゲー基金にて3月31日まで開催されている。
“記憶”と“喪失”など、あらゆる根源的な問いを探求し、作品に表現することで知られている塩田氏によるこの個展では、彼女がこの展覧会のために作り出した大規模なインスタレーションを鑑賞することができる。またそれと同時に、彼女の内面と外側の両方の世界をたくみに表現した作品の数々を味わうことができるだろう。
「初めに…」In the beginning was…
今回の展示作品の中心になっているのは、無数の糸と石によって制作されたインスタレーション「初めに…」である。
張り巡らされた糸によって絡められた石は、夜空に浮かぶ星座やビッグバンを想起させる。
「大陸を越えて」Over the continents
この作品を制作するにあたり、彼女は350足もの靴を集めた。これらの靴はすべて、匿名の人たちによって寄付されたもの。赤い糸によって扇状に壁につながれたこれらの靴は、わたしたちを想像へと駆り立てる。この靴はどのようなストーリを持っているのか、そしていったい誰のものなのだろうか…。
「彼の椅子」His Chair
ソリゲー基金の入り口付近に設置されているのがこの作品「彼の椅子」である。1990年代、当時ドイツに滞在していた塩田氏は、旧東ベルリンにてたくさんの建物の窓が廃棄され、改装されていくのを見ていた。そしてそれらの窓から何かを見ていた人たちのことについて、またその人たちが何を見ていたのかということについて考え始め、この作品の制作に至った。
「バスルーム」Bath room
塩田の初期のビデオ作品「バスルーム」は、彼女のアートの多様性を表している。バスタブのなかで頭から泥水を被るこのビデオは、生きるとは何か、そしてこの社会において我々は何者なのかを問いかけている。
ビデオ作品の後に制作された「イン・ザ・バスルーム」と題する4枚の写真がこのインスタレーションを締めくくっており、彼女の三次元の作品がいかにして二次元の作品にもなり得るかを証明している。
塩田 千春 / Shiota Chiharu
1972年大阪生まれ。京都精華大学を1992年に卒業し、1993年よりオーストラリア国立大学キャンベラスクールオブアートに交換留学生として留学。1996年よりブラウンシュヴァイク美術大学にてマリーナ・アブラモヴィッチに師事。ベルリン在住。
人間の体、記憶、そして喪失などをはじめとする様々な問題を探求し、それらを表現した大規模なインスタレーションによって知られている。所有者の記憶や時の経過を表した日常の身近なものや素材を用いて制作するアーティストである。
オフィシャルサイト:http://www.chiharu-shiota.com/ja/
塩田千春 個展「初めに…・In the beginning was…」
日時:2016年3月31日まで開催中
月曜 10:00~14:00
火~金曜 10:00~14:00, 17:00~20:00
土曜 11:00~14:00, 17:00~20:00
日曜 11:00~14:00
会場:Fundació Sorigué
住所:Alcalde Pujol, 2 bis, 25006 Lleida, España
Tel:901 020 002 / 600 600 003
Mail:info@fundaciosorigue.com
Web:http://www.plantaproject.org
Facebook:https://www.facebook.com/FundacioSorigueFanPage