吉本ばなな氏、バルセロナのサロン・デル・マンガ2016 に参加決定
毎年秋にバルセロナで開催される日本文化の祭典「サロン・デル・マンガ」。第22回となる今回は10月29日から11月1日にかけて、バルセロナのモンジュイク展示会場にて開催される。昨年14万人近い入場者を数えたこの展示会の今年の主役は「日本文学」。このテーマを代表する日本よりのメインゲストとして、国際交流基金の協力により作家の吉本ばなな氏が招待される。
「吉本ばなな」は、吉本真秀子氏のペンネーム。自然を愛する彼女はばななの花が好きで、この世界的に有名になったペンネームはそれが元になっている。
彼女は60年代の有名な哲学者である吉本隆明の次女で、その姉はマンガ家のハルノ宵子。日本大学藝術学部文芸学科を卒業した彼女は、大学在学中にそのデビュー作「キッチン」(1988)で海燕新人文学賞を受賞。その一年後には同じ作品で泉鏡花文学賞も受賞し、この作品は日本だけで60版以上を数えた。「キッチン」は日本と香港で2度に渡り映画化もされている。
同氏はその後もイタリアの有名なスカンノ賞の他、数々の賞を受賞。
「N・P」(N.P：1992)、「アムリタ」(Amrita：1997)、「TUGUMI」(Tsugumi：1994)、短編を集めた「白河夜船」(Sueño profundo：1994)等、多くのエッセイや小説を執筆し、その著作は30ヶ国以上で翻訳出版され、現在の日本で最もプレスティジアスな作家の一人となっている。
「デッドエンドの思い出」(Recuerdos de un callejón sin salida：2011)では、日常生活における人々の温かいふれあいを通じて生き続ける力を探し求める人々の、失望、友情、愛等のテーマを扱っている。これらの小説作品のスペイン語版はTusquets Editores社により出版されているほか、エッセイの「人生の旅をゆく」(Un viaje llamado vida：2014)もSatori Ediciones社によりスペイン語で出版されている。
彼女の全ての作品に跨るいくつかの要素がある。
一つは、その主役が女性であること。もう一つは作品の中で頻繁に死が現れること。
吉本氏はスペインの映画監督であるアレハンドロ・アメナバル、ペドロ・アルモドバル、フアン・アントニオ・バヨナを称賛しており、スペイン料理が大好きであるとも言っている。特にタパスについては、「毎日タパスだけでも生きていける」とのこと。
第22回サロン・デル・マンガの入場券は、7月8日より公式ウェブサイトにて、事前販売が開始される予定。
吉本ばなな
1964年、東京生まれ。
日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第６回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた／サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第２回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞（安野光雅・選）を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞＜Under35＞、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『鳥たち』『サーカスナイト』『ふなふな船橋』『イヤシノウタ』がある。
公式サイト：http://www.yoshimotobanana.com
公式Twitter：https://twitter.com/y_banana
ESJAPÓNインタビュー：作家 吉本ばなな東京・下北沢。春の雨の降るある日の午後、ESJAPÓNは世界中にその作品の愛読者を持つ作家の吉本ばなな氏のオフィスを訪問し、インタビューをさせて頂く機会を得た。
吉本氏にとってスペインとは？ そして今後の制作活動の予定は？
第21回 バルセロナ「サロン・デル・マンガ」訪問レポート海外における日本文化普及の大きな牽引車のひとつになっているマンガとアニメ。
フランスの首都パリで開催されている「パリ・マンガ」展示会とともに欧州でも有数のマンガをテーマとした展示会であるバルセロナの「サロン・デル・マンガ」は今回で21回目を数え、過去最高の137,000人の入場者数を記録した。日本文化好きが集まるこの会場では、マンガとアニメに留まらない日本文化全般を発信して行こうとの動きが年々活発になって来ている。
フォトギャラリー：第21回 バルセロナ「サロン・デル・マンガ」2015年10月29日〜11月1日に開催された第21回「サロン・デル・マンガ」バルセロナの様子は、こちらのフォトギャラリーでお楽しみください！
